1799年 操業開始
1852年 イーニアス・カフェの連続式蒸留器(パテント・スティル)を導入
1877年 Distillers Company Ltd. 設立に参加
1966年 Scottish Grain Distillersに移管
1983年 蒸留所閉鎖
1990年代 蒸留所建物解体
2011年 Carsebridge Cooperage終業
簡単に年代別に記載させて頂きました
カースブリッジ蒸溜所はローランドのスターリングから東に約15kmの場所にありました
カースブリッジでは初めはモルトウイスキーを作っていたようですが
1850年にグレーンウイスキーの生産に切り替えたそうです
グレーンウイスキーの市場はブレンデッドウイスキーの発展により拡大していき
1857年にスコットランド全体の生産量は7,500,000ガロンに達し(英国の1ガロンは4.545L)モルトウイスキーの生産量を超えた
しかしグレーンウイスキーの過剰生産のあおりでいくつかの蒸留所の価格暴落や、経営の存続まで危ぶまれることとなった
1877年にまた同様の状況が生じ、相互保護のためにカースブリッジを含む6つのローランドのグレーンウイスキー蒸留所が合併してDistillers Company Limited(DCL)を形成した
当時、スコットランドではおそらく2番目に大きなグレーンウイスキー蒸留所だったと思われる
1966年以前はフロアモルティングを行っていた
1980年までにはスコットランド最大のグレーンウイスキー蒸留所となり、3つのカフェスチルを保持していた
しかしDCLグループの多くの蒸留所にとって不遇の年である1983年にカースブリッジは閉鎖され
1992年に蒸留所は取り壊された
原酒はスコットランド周辺の倉庫に保管されているが
その残りも少なくなってきている貴重なウイスキーとなっている
現在でこそ生産効率が悪いのであまり使用されていないが
当時はカフェスチル、いわゆるカフェ式蒸溜機が主流だった
カフェ式蒸溜機の特徴としては
原料であるグレーンの香味を最大限に引き出せる
原料由来の甘味や香りを原酒にしっかりと残すことができる
ニッカウヰスキーから出ているカフェグレーン
これを飲んでもらえるとカフェ式蒸溜機の良さがわかってもらえるのではないかと思います
もちろんカースブリッジもモルトに比べると安価に入手は出来ますが
1983年に閉鎖されているので
2015年に瓶詰めされているボトルでも
熟成年数は32年と長期熟成になるので気軽に帰る値段では無くなっていると思います
こちらがシグナトリーから発売されているカースブリッジ
1982年蒸溜なので閉鎖の一年前の蒸溜となっている
そして35年という熟成年数、度数も48.9%まで落ちている
モルトウイスキーで35年というと100,000円は超えてくるのではないかと思うので
そう言った意味ではかなりのお買い得ボトルだと思います
私自身キャメロンブリッジ、カースブリッジがお気に入り蒸溜所なので
是非飲んで頂きたい蒸溜所です
それではまた
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