どーも、アランガールです。
さて今回は私の昔話にも出てきたポートシャーロットをつくっているブルックラディ蒸溜所についてお話ししていきたいと思います。
キルホーマン蒸溜所ができるまでは、ブルックラディ蒸溜所はアイラ島で最も西に位置する場所にありました。ゲール語で「海辺の丘の斜面」という意味になります。
【私たちはテロワールが重要だと信じている】
公式サイトにも書かれているこの言葉、これだけを聞いて脳内にハテナを浮かべる人も多いかもしれませんが、ブルックラディ蒸溜所の特質すべきところはこの言葉に詰め込まれているのではないかと私は思います。
私たちは、アイラ島のウイスキーには、そのウイスキーがどこで蒸留され、どこで熟成されるのか、どのような哲学を持った人間の手によるものなのか、そこから生まれる本物としての重みがなければならないと考えています。重要なのは、それがつくられた場所、材料となる大麦や水について語るテロワール、そしてそれに命を吹き込む人間の魂です。
https://rcjkk.com/bruichladdich/
まずテロワールの意味から説明すると、テロワールは気候や風土、土地の個性を表すフランス語で、ワインでよく使われる言葉です。
2001年、その考えをウイスキー造りに取り入れたのが、アイラの巨匠、ジム・マッキュワン氏。
まずは、ジム・マッキュワン氏がブルックラディ蒸溜所に携わる前のブルックラディ蒸溜所のことから書いていきたいと思います。
ブルックラディ蒸溜所が設立されたのは1881年。グラスゴーのウイスキー名家出身の若く、熱意と起業家精神にあふれるハーヴェイ兄弟が、当時の最新式の設備を備えたブルックラディ蒸留所を創業しました。ちなみにハーヴェイ家は当時グレーンの蒸溜所を2つ持っていたそうです。
1886年にはブルックラディ・ディスティラリー・カンパニーとなります。
1889年ウィリアム・ハーヴェイ氏が支配人となりますが、1929年に生産を停止。
1936年に生産を再開。
翌年1937年にウィリアム・ハーヴェイ氏が死去、その翌年の1938年にカナダのジョセフ・ホブス氏とほか2名が蒸溜所を取得し、Associated Scottish Distillers Ltd.に売却します。
1952年、ロス&コールターが蒸溜所を買収。
1954年、DCLがロス&コールターを買収。
1960年、A・B・グラントがロス&コールターを買収。
1961年、モルティングを停止。
1968年、インヴァーゴードンディスティラーズが蒸溜所を買収しますが、1983年に生産を一時停止。
1993年、ホワイト&マッカイがインヴァーゴードンディスティラーズを買収。
1994年、蒸溜所を閉鎖。
1996年、ホワイト&マッカイがJBBに名称を変更。
1998年、一時的に生産を再開しますが、3ヶ月ほどで再閉鎖。
2000年、マーレイマクダヴィッドが蒸溜所を買収。
2001年、サイモン・コフリンをはじめとする投資家のグループが、蒸溜所を買収。2001年、買収後最初のウイスキーが蒸留されます。この時、新しくオーナーになったのが、ボウモア蒸溜所でブランドアンバサダーをつとめた経験がある、ジム・マッキュワン氏。
2004年、アイラ島内の農家とパートナーシップを結び、アイラ産の大麦の栽培に着手。
2006年、ヘビリーピーテッドウイスキー「ポートシャーロット」が誕生します。
そして2008年、私が大好きな世界最強のスーパーヘビリーピーテッドウイスキー「オクトモア」が誕生します。
2012年、レミー・コアントローが蒸溜所を買収。
2015年、マスターディスティラーのジム・マッキュワン氏とジェネラルマネージャーのダンカン・マクギブレー氏の引退により、アラン・ローガン氏がプロダクションディレクターに、そしてアダム・ハネット氏がヘッドディスティラーに任命され、現在もブルックラディ蒸溜所で素晴らしいウイスキーを生み出してくれています。
生産停止や蒸溜所の閉鎖、たくさんのストーリーがあるブルックラディ蒸溜所ですね。
とまぁ、ブルックラディ蒸溜所の歴史はこんな感じです。
2015年までマスターディスティラーだったジム・マッキュワン氏と2015年からヘッドディスティラーになったアダム・ハネット氏については次回詳しく書いていきたいと思います。
さてさて、ブルックラディ蒸溜所の歴史を知れたところで、最初にも少し話したブルックラディ蒸溜所の特徴についてお話ししていきたいと思います。
特徴その① テロワール製法
テロワール?どういったところが?と疑問に思われる方もいらっしゃると思うんですが、実はスコットランドの法律において、蒸溜さえスコットランドで行えばスコッチウイスキーと名乗ることができちゃうんです。そのため、原料は海外から輸入された大麦や穀物を使うこともできてしまいます。
ブルックラディ蒸溜所のウイスキーは全て100%スコットランド産の大麦を原料につくられています。また、アイラ島の大手蒸溜所の中では唯一全てのウイスキーをアイラ島内で熟成しノンチルフィルターノンカラーでボトリングしています。
もし、ブルックラディ蒸溜所のウイスキーがご自宅にある方はボトルを見てみてください。ボトルの下の方に番号が書いてあると思います。
こちらのサイトの
このようにこのボトルにはどこで作られた大麦が使われているのか、大麦の種類はなんなのか、どんな樽を使っているのかなど、全ての情報を見ることができます。
現在、ブルックラディ蒸溜所では、使用している大麦のうち半分だけアイラ島産のものとなっていますが、ゆくゆくは100%アイラ島産を目指しているそうです。そしてモルティングにおいても、2023年からアイラ島でモルティングされるようになるのだとか。
まだまだ挑戦途中のブルックラディ蒸溜所、これからも楽しみですね。
気がついたら長々と書いておりました笑
特徴の続きは次回に持ち越しましょうか、お楽しみに笑
それでは今日はこの辺で、それじゃ、バイバイ!
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